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第95話 役職ではなく、知っている人を呼んでください

Author: 八月 猫
last update publish date: 2026-09-02 09:00:57

 翠嶺ホテルの再建案を作り直すことが決まってから三日後。

 私が昼休みにスマホを見ると、帝人さんから一件のメッセージが届いていた。

『あの男が来た』

 それだけだった。

 何のことか分からない。

『誰ですか?』

 すぐに返事が来る。

『朝食券の男だ』

 そこでようやく思い出した。

 翠嶺ホテルで、紙の朝食券をやめた方がいいと話していた若い従業員。

『名前、覚えてなかったんですね』

『あの時は知らなかった』

 それもそうだった。

『今は?』

『佐野拓海。二十七歳。宿泊部フロント担当。入社五年目』

 急に詳しい。

『調べたんですか?』

『会議に呼んだ』

 相変わらず話が早かった。

 午後。

 私は仕事を終えてから皇グループ本社へ寄ることになっていた。

 ホテル視察について、私が客として感じたこと

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